イラン最高指導者、デモは「敵」のせいと米国を非難 米国は国連会合要請へ

イランで昨年から続く反政府デモ、イラン最高指導者は反政府デモを米国のせいに

中東・イランで反政府デモが広がる中、最高指導者・ハメネイ師が1月2日、この問題に初めて言及し、今回のデモは敵対勢力が仕掛けたとの見方を示しました。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は1月2日、イラン各地でこれまでに21人が死亡した反政府デモの責任は「敵たち」にあると非難しました。「敵たち」は、米国のことを表していると思われます。一方、デモへの支持を表明している米国は、イランに対する圧力をさらに強め、国連での緊急会合開催を要請する方針を示しました。

イランでは物価の高騰などを背景に、12月から連日、各地で反政府デモが相次いでいて、ハメネイ師の退任を求めるなど異例の体制批判も出ています。

ハメネイ師は、イラン国営テレビで放送された演説で、12月28日に始まった反政府デモについて沈黙を破り、「敵たちが団結し、あらゆる手段、金、兵器、政策、保安機関を用いてイランに問題を生み出そうとしている」「敵は常に、イランに侵入し攻撃する機会と隙を狙っている」と米国を非難しました。

今回の反政府デモや、同デモを支持する米国の姿勢については、2009年に行われた大規模な抗議運動を支持した改革派からも批判の声が上がっています。

米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、イラン反政府デモの問題について国連安全保障理事会と国連人権理事会での緊急会合の開催を求めていくと言明しました。さらに、抗議行動がイランの「敵」(米国を表していると思われる)によって扇動されたというハメネイ師の主張について、「完全なたわ言」だと話しています。

イランで昨年12月28日に始まり全土に広がった反政府デモでは、イラン当局側との衝突による死者は1月2日までの6日間で少なくとも21人に達しています。警察官にも死傷者が発生しました。デモ隊などの拘束者は首都テヘランだけでも450人に上っています。

イランの騒乱は収束の気配が見えず、イスラム体制打倒の主張や治安施設の襲撃も発生しています。体制護持が任務の「革命防衛隊」などが強硬な鎮圧に転じれば、反発で抗議活動が激化する懸念もあります。

イランからの報道によりますと、死者は西部ツイセルカンと中部ガデリジャンで各6人、中部シャヒンシャハルで3人、西部ドルードで2人、南部イゼーで1人とのことです。中部ナジャファバードでは警官1人がデモ参加者に猟銃で撃たれ死亡し、3人が負傷しました。今回の騒乱で治安当局者の死亡は初めてです。

デモ隊の一部は暴徒化し警察署などに投石を繰り返して警察車両に放火しました。治安部隊は催涙ガスなどで鎮圧を図っています。政府はインターネット接続を制限し、情報統制を強化しています。

デモは最高指導者ハメネイ師の退任を求めるなど、反体制的色合いを強めています。ハメネイ師は1月2日、デモへの外国の関与を示唆しました。ロウハニ大統領は12月31日「国民は政府を批判しデモをする権利があるが、暴力や公共施設の破壊は許容できない」と自制を呼びかけました。

イランは、1979年の革命で親米派の国王を追放しました。現在は政教一致の厳格な体制下、宗教的な最高指導者が広範な権限を握っています。今回のデモでは一部で「シャー(国王)復活を」との声も上がったそうです。

イランでは2009年、大統領選で敗れた改革派候補の支持者のデモを治安当局が鎮圧し、数十人が死亡しました。今回はそれ以降で最大規模の衝突となっています。若年層の失業率が3割近く不満が高まっていました。デモ隊は今回、シリアやイエメンの内戦など中東の紛争への政府の介入も非難しています。トランプ米大統領は1月2日、「イランの人々はついに残酷で腐敗した政権に立ち上がった」とツイートしています。

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