北海道小樽市長の尻叩いた市民が逮捕された裏側 「尻叩き事件」公務執行妨害で逮捕

12月15日、北海道小樽市の森井秀明市長(45)が市庁舎内の廊下で、60代の男性に声をかけられお尻を叩かれました。同日、市長は暴力を受けたとして警察に通報し、その男性は公務執行妨害容疑で現行犯逮捕されたとの報道が12月20日にありました。

この事件が報道された後、ネット上で話題となり、この事件に関する森井市長の対応に対し批判的な意見が目立ちました。

しかし、事の真相を市の秘書課と複数の報道に確認したところ、今回の「尻叩き事件」の概要が見えてきました。

北海道小樽市で起きた尻叩き事件の概要

まず、2017年12月15日の市議会予算特別委員会終了後の17時過ぎの市庁舎の廊下で、市議会を傍聴していた同市の60代の男性が森井市長と擦れ違いざまに声をかけ、素手でお尻を叩いたそうです。

叩かれた市長は、秘書課の担当者に警察への通報を支持し、駆け付けた署員が男性を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕しました。すぐさま市長は被害届を出し署は受理しました。その後、男性は即日釈放されました。

報道されたのはここまでですが、事件は、ここで終わりません。

北海道小樽市尻叩き事件の裏側での戦い

この「尻叩き事件」を受け12月18日に開かれた委員会では、市民を守る立場にある市長が市民を犯罪者に仕立て上げるような事はあってはならない、との議会からの追及が始まりました。

現場を見たという参考人招致が行われ、招致された人物は市政運営などを頑張ってもらいたいという激励の想いからの行動で、暴力的な行為には見えなかったと証言しました。委員会の場で、森井市長は事件について何も言いませんでした。市長のお尻を叩いた男性は、議会を毎回のように傍聴にくる市政に関心の高い人とのことでした。

しかし、森井市長の後方で今回の事件を直接見ていた担当者の証言は異なります。

担当者によると、男性は市長と擦れ違いざま、大きな声を出して、お尻と腰の間辺りを挨拶とはよべない強い力で叩き、市長がよろめきました。周囲が驚くほどの大きな声だったそうです。あまりにも大きな声だったため、何を言ったのかは聞き取れなかったと打ち明けています。担当者は、新聞記事の内容は、委員会での参考人の証言を基にしているため、市長に対する批判が起こっているのは仕方のないこと、とも述べています。

担当者によると、尻を叩いた男性は、議会の傍聴に訪れては、市長に対し大きな声でヤジを飛ばす人物として有名だったそうです。そのような経緯もあり、市長は通報を決めたのではないか、と推測をしていました。

実は今回被害にあった森井市長は、現在議会と対立関係にあります。

10月10日には森井市長と、森井市長が抜擢した上林猛副市長への辞職勧告決議案が議会から提出され、市長と副市長の辞職勧告は賛成多数で可決されていました。辞職勧告決議に法的拘束力はないため、市長は辞職しませんでしたが、副市長は2020年1月末までの任期を残し今年11月末で辞任しました。森井市長に対して議会は、市の事業を優先的に市長の後援会関係者に回しているなど「市長失格」と騒ぎ続けていたようです。

なぜここまで市長と議会が対立しているかというと、そもそもは15年4月の市長選挙から森井市長の周りは対立する人物に囲まれていところに始まりがあります。自民、公明、民主、連合小樽、小樽商工会議所という磐石な支持基盤を持つ、当時現職の中松義治市長を、無所属の森井市長が大差で破ったため、森井市長の周りは常に「オール野党」という状態になっていました。

地元の小樽市では、長老の政治家たちは森井市長を若造だ、支持基盤が弱いと見下していて、思い通りの市政ができないのではないか、と心配する声もありました。今回の暴力事件だとしての通報もこうしたことが背景にあるのではないか、と考えている人もいます。