セクハラ・パワハラ問題、日本でも著名人によるカミングアウト増える

今年は、米国ハリウッドに端を発し、セクハラ被害をカミングアウトする運動が世界中に広がりました。twitterにて「#Metoo」(私も)のハッシュタグをつけてコメントすることにより、運動は広がっていきました。

しかし、日本ですぐにカミングアウトの運動が広まったわけではなく、米国で被害をカミングアウトする運動に火が付いても、しばらく日本では静観する状況が見られました。そんな中、日本でもセクハラ被害をカミングアウトする運動が始まる大きなきっかけが起きます。今年12月17日にインターネットメディア「BuzzFeed News」上で、作家・ブロガー「はあちゅう」(本名・伊藤春香)さんがカミングアウトしたのです。(記事は、こちら

はあちゅうさんのカミングアウトの記事は、はあちゅうさんの電通勤務時代に、当時先輩社員であった岸勇希氏(現在は退社)から、セクハラ・パワハラを受けていたというものでした。岸氏は、電通時代に電通史上最年少でエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターに就任するなど、広告業界では日本有数の人物として知られています。

はあちゅうさんが受けたセクハラ・パワハラを要約すると、岸氏に深夜に呼び出され、正座をさせられたまま仕事が終わるまでつき合わされたり、はあちゅうさんの友人を紹介させたり、はあちゅうさんに罵声を浴びせたりと言ったものでした。記事では、電通の現役社員への取材の状況も掲載されており、岸氏の電通時代のセクハラ・パワハラは、社内でも知られるところとなっていたようです。

日本において最大の広告代理店である電通で起きた事件であり、しかも被害者・加害者ともに有名人とあって、「BuzzFeed News」の記事は、瞬く間に拡散されていきました。「BuzzFeed News」の記事が公開されるやいなや、「#Metoo」を使ったつぶやきが行われていきました。つぶやきの中には、電通の採用選考過程の中で、セクハラとも思える質問を受けたというものもありました。

「BuzzFeed News」の記事で加害者とされていた岸勇希氏は、今回の騒動の責任をとり、12月18日付で自身が代表取締役を務める株式会社「刻キタル」の代表取締役を辞任し、退社したことを「刻キタル」のHP上で発表しています。

一方、電通は、2015年に社員が過労死自殺した事件を起こしており、社内での働き方改革を進めている最中で今回の騒動が起きる形となりました。電通内でのセクハラ・パワハラの体質は以前から指摘されていることでもあったので、電通の今後の対応が注目されています。