岐阜県・美濃加茂市長 藤井氏、有罪確定に伴い辞職へ

岐阜県・美濃加茂市の藤井浩人市長(33)が、浄化設備導入をめぐり受託収賄罪などに問われていた件で、最高裁第3小法廷は11日付で上告を棄却する決定を出しました。1審の無罪判決を破棄して、懲役1年6か月、執行猶予3年、追徴金30万円の逆転有罪とした2審判決が確定することになります。
有罪が確定すれば、公選法などの規定により執行猶予中は選挙権と被選挙権を失い、市長職を失職することになります。

藤井市長は記者会見を開き、事件について「一切の無実。現金の授受はなく、これは冤罪(えんざい)だ」と改めて訴え、最高裁に異議申し立てをする一方、「市政を停滞、混乱させないよう、退くことが私の最後の役目」と述べ、判決確定による失職を待たずに14日付で辞職することを明らかにしました。藤井市長は、異議申し立てが認められなければ再審請求を検討するとしています。

藤井市長側は上告審で「弁解の機会を与えないまま無罪を覆した高裁判決は、(無罪を覆す場合に新たな事実調べを求めた)最高裁判例に反する」などと主張しましたが、小法廷は「判例は事案が異なり本件に適切ではない。他の点は上告理由に当たらない」と退けました。裁判官5人全員一致の意見でした。

判決によると、藤井市長は市議だった2013年3~4月、浄水設備設置について市との契約に便宜を図った見返りに、設備会社社長から現金計30万円を受け取ったとされています。

裁判では「現金を渡した」と認めた贈賄側の供述の信用性が最大の争点となり、公判で藤井市長は現金授受を否定していました。2015年3月の一審・名古屋地裁判決は「(贈賄側の会社社長の証言について)供述の信用性には疑問があり、現金の受け渡しがあったと認めるには疑いが残る」と無罪を言い渡されました。

2016年11月の二審判決は、一転して贈賄側の供述内容は口座の出入金記録やメールなどと整合性があるとし「(現金授受を否定する)市長の供述は不自然で、真摯に供述しているか疑問がある」と判断され、懲役1年6か月、執行猶予3年、追徴金30万円の逆転有罪を言い渡しました。

今後について藤井市長は、「一市民として、美濃加茂のために努力したい」と話しました。有罪が確定すれば、3年間の執行猶予期間中は立候補できなくなります。「市長に戻れるなら戻りたいが、どういう立場から恩返しできるか、3年間を含めて考えたい」と藤井市長は述べました。

藤井市長は2013年、当時全国最年少の市長として初当選しました。その後、2016年11月の逆転有罪判決を受けて辞職し、出直し市長選で再選しました。今年5月には無投票で3選を決め、上告審で争いながら市長職を続けていました。

公職選挙法の定めでは、市選挙管理委員会への辞職・失職通知の翌日から50日以内に市長選が開かれることになっています。美濃加茂市選管によると、選挙の告示は年明けになるとのことです。

14日に藤井市長は副市長を通じて辞職願を市議会議長に提出し、市議会本会議にて全会一致で同意されたため、14日いっぱいで辞職となります。